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ネカフェ珍客列伝その2

はいどうも、だんだんと記憶が薄れてきましたので早々にたくさん書いておきたいと思います。珍客列伝その2です。(ちなみにその1はコチラ

さて今回は思い出すのも腹立たしい、A氏について語ろうと思います。
彼は30代前半、ぽっちゃり型。で、キチガイでした。彼は色々な意味で伝説を作り続けました。

彼が最初なんで俺の記憶に残るようになったか。それはとにかくいっぱいプリンタを使っていたんです。
当時のうちの店ではプリンタ本体が無料貸出、さらにプリント料金が無料。で、用紙代をもらうというスタイルでした。
でもこのスタイル、お客さんの少ないうちはいいサービスだなと思っていたのですが、これ実は抜け道があって、用紙を持込してしまえばどれだけプリントしても店側は一円たりともお金はもらえないという、インク代だけかさんでいくという、魔のシステムだったのです。
このA氏はその裏技にいち早く気付き、自ら大量に用紙を持ち込み、大量にプリントアウトしては満足気に家路に着くという日々を週に3〜4日繰り返してました。

でも俺やスタッフたちの記憶に残る所業はその行為だけではないのです。
そのプリントする内容のインパクトが強すぎたのです。

いったいどこからそんなサイトを見つけてくるのか、外国人女性のアダルツ画像です。

それもジャンル問わず、ポルノ女優だけでなく、シャラポワなどのスポーツ選手、普通のハリウッド女優のセクシー画像などありとあらゆるジャンルのものでした。え?なんで知ってるのかって?それは、あまりにも大量にプリントアウトするのでよくプリンタがインク切れをおこしたんです。
そしてその度に席までインク交換に行ったものですから…オープン当初はスタッフがPC機器に強くない(その理由は機会があれば別のコラムで語ろうと思います)状態でしたので、必然的に店長である俺が伺うことになります。

しかもたちの悪いことに、ミスプリントしたものや自分で持ち込んだ用紙の束はおろかきっと夜に自分自身を奮い勃たせる立たせるためであろう外人ねーちゃん、業界用語で言うチャンネーたちの画像を置き忘れて帰るのです。嫌でも記憶に残ります。

当時、うちの店の男女スタッフ比は5:5だったため、女性スタッフが奴の使った席を掃除に行ったときにそんなものを見つけ、顔を真っ赤にして「店長、あのお客さんの忘れ物です…」と報告してくれる姿は個人的には楽しみでしたかわいそうでした。

そんな彼の性癖にも慣れてきた頃、各席に備え付けているインターホンが鳴りました。
「今日はどうした?インクはさっき替えたばかりだし、紙詰まりか?」と思いながらインターホンを取ると、内容も告げずに「ちょっと来て」とのこと。
「まさか何かクレーム(という名のいちゃもん)か!?」と考えながら彼の席に向かいノックをしました。
(各席がカーテンとパーテーションで区切られた個室でした)

するとA氏は俺のほうを振り向きもせず、PCのディスプレイを見入っています。
当然画面に映し出されているのは外国のチャンネーです。プリンタは使ってません。
おかしいと思いつつA氏に呼んだ理由を聞こうと声をかけると、懐から千円札を取り出しつつ衝撃の発言をしました。

「あ、来た?これ(千円札)でタバコ買ってきてよ」



…・・・

( ゚Д゚)ポカーン

( ゚д゚)ハッ!

「お…お客様…当店ではそういったサービスは行っておりませんが…」

口ではなんとかそう言って平静を保つことが出来ましたが、顔はもう最低だったと思います。
幸いにしてA氏は決してコチラを振りかえることなく、「あっそ」とかぬかしてやがったんで、何も言われもしませんでしたが。

それくらいからでしょうか?彼の奇行がエスカレートしていったのは。

あるときはフリーメールを送信しようとして、たまたま送信に失敗したんですね。
すると俺を呼びつけて、何で送信できないんだ!から始まりこのメールの内容は今の職場の労働基準法違反について告発するメールだったんだ、とかこれが改善されなければ俺はこの会社を辞めるとか日本の将来がどうのこうのとか、ブラウザの戻るで戻ったらメールの内容が消えてるとか、メール打つのに40分かかったのにとか…


いやごめん、正直知らねぇし。

そりゃあうちの店のネット回線に不具合が出ていると特定できる状況ならともかく。
他のお客さんからは回線関係のクレームは出ていません。となると店側で責任が問われるとすればA氏の使っている席のPCが不調であるということ。一応簡単にチェックしてみたけど特に問題なし。

そうなると受信側でなんらかのエラーが出たか、まさかとは思うけどアドレス間違って送信したか…あとはたまたまの巡り会わせが悪かっただけか…とにかくうちの店が原因でないことは確定しました。しかしそういった説明を俺がしている間「くっそ〜」「何でや…チクショウ…」とかブツブツ呟いてるのです。そして俺の話なんか全然聞いてないらしく、何度も同じことを聞いてきたりしたのです。とりあえずどうにかしてもう一度メールを打ってもらうようにお願いしてその場を立ち去りました。


また、あるときはバイトの女の子通称モリコを受付のときに口説きはじめたり。
本人はコミュニケーションだとか言ってたけど明らかに奴は狙ってた。だって待ってるんだもん。
モリコがいるときといないときで目の輝きが違ってたし。

さらには、どこから持ってきたのか、冷凍してある鯖をおもむろに店に持ち込んできて、受付のスタッフに「これから利用するからこれこっちで預かっといて」ときたもんだ。
店には一応冷凍庫があったものの、そんなどこから持ち込んだのか分からないような得体の知れない鯖を預かるわけには行かないのでお断りしましたが。だって鯖よ、鯖。


とどめは俺が系列の店舗の店長と1週間入れ替わり、お互いの店の良いところ悪いところを第三者的立場から見つめようということで入れ替わったことがあったときです。
ちなみに俺ヶいた店(広島市)から系列店(東広島市)までは約50km。
それなのに、奴はその系列の店にまで現れたのです。

俺、真剣に怯えましたよ…こいつまさか真のターゲットは俺かよってね。
まあ、幸いにして俺にも店にも実害は出さなかったんで、まだマシなんですがね。

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